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『子どもの見ている世界』内田伸子
子どもはどのように世界をとらえているのだろう?
身体・心・言葉・個性・知能……深く多様な子どもの認知世界を紹介しながら、乳幼児期(0~6歳)の成長発達にともなう育児の悩み「困った…」や疑問「どうしてそんなことをするの?」に発達心理学の第一人者が答えます。
子どもの視点を共有すれば、疑問や悩みだらけの育児が「納得」に変わり、子どもとの日々はもっと楽しくなるでしょう。
英語などの早期教育に「待った」の理由や、スマホ時代の接し方まで、大人の価値観の押しつけではない真に「子どものため」の育児を考える書。
春秋社HP
3歳娘の父です。子育てはわからないことだらけですよね。
その中で子どもが今何を考え、感じているのか、なぜこんな行動をとるのかそれがわかるだけで、気持ちが楽になりませんか?
この本は、それぞれのチャプターごとに子どもの発達、行動が示していることは何か、を教えてくれます。私がこれは知って気持ちが楽になった内容をまとました。個性、スマホの利用、しつけなど、参考になれば幸いです。
- 人間の赤ちゃんはなぜ泣くの?⇒生物的に早産で生まれてくるから
- なぜ親の言うことが伝わらないの?⇒子どもの個性に合わせて声掛けしてみて
- スマホ、テレビは見せていいの?⇒30分くらいならOK、できれば一緒に見ましょう
- 幼児期から英会話は必要?⇒あまりオススメしない、まずは日本語の学習から
- 今のしつけは大丈夫?⇒共有型のしつけがオススメ
- 今からでも遅くない?⇒大丈夫!遅くない
それぞれ詳しく解説していきます。
人間の赤ちゃんはなぜ泣くの?
人間は他の生き物と比べて、生まれた時にできることが少ないけどなぜ?という話
馬は生まれたときから立って、乳を吸おうとしますし、蝶は卵から生まれたら、まず殻を食べ目の前の葉っぱを食べ始めます。人間の赤ちゃんは泣く以外に自分でできることが少ないですよね?
- 人間の赤ちゃんが無力なのは生物上、早産の状態で生まれてくるから
- 泣くのはコミュニケーションの「ことば」であり「運動」でもある
- と、泣くという行動を客観的に見ることも大切
人類の歴史の話になりますが、
300万年前にくらべ人間の脳は大きくなりましたが、生まれてくるときは産道を通るため、頭は小さくなければいけません。本来ならあと1年お腹で育つべきところを、赤ちゃんの頭が大きくならないうちに出産する「生理的早産」という方法をとるようになりました。生物的に早産は自分で食べ物を探したり、危険を回避したりすることができない無力な状態なのです。
そのため、親の保護が必要になります。赤ちゃんは母親に自分の欲求を伝えるため、「泣く」というコミュニケーション手段をとります。
泣いてばかりでストレスが溜まりそうになったら「あー、お話ししてるなー」「運動しているなー」と客観的に見て、自分自身が冷静になりたいですね。

子どもが生まれて、あらため赤ちゃんは何もできないなーと感じました。自分も生まれた時は…と考えると、親には感謝です。
個性の芽生え「図鑑型」と「物語型」
子どもの個性に合わせて声掛け、対応の方法を変えると、伝わりやすいよ、という話
生後10か月過ぎると頭で物事を想像することができるようになり、「図鑑型」「物語型」の個性が出てきます。
図鑑型:物の成り立ちや動きに興味を示す
- 覚えるのが早い言葉「おっこちた」「ぴーぽーぴーぽーって言ってる」など
- 伝わりやすい声掛けの例「雨が降ってて滑るから、走るとき転ばないように気を付けてね」など
- 感情よりも何が起こるか、について伝える
- 男の子に多い
物語型:人間関係に敏感、感情に関する言葉を早く覚える
- 覚えるのが早い言葉「おはよう」「こんにちは」「きれい」「おいしい」など
- 伝わりやすい声掛けの例「お片付けしてくれるとお母さんは嬉しいな」 「走って転ぶとお父さんは悲しいな」など
- 感情を含めた伝え方をする
- 女の子に多い
必ずしも皆、ぴったり当てはまるわけではないですが、声掛けでやらないでほしいこと、注意してほしいことがなかなか伝わらないとき、「図鑑型」「物語型」を意識すると反応が変わるかもしれませんね。

娘はどちらかというと物語型なので、なるべく感情を使った声掛けをしています。「〜してくれると嬉しいな(悲しいな)」が伝わりやすい気がします。
絵本の読み聞かせ
絵本の読み聞かせは親子の感情の交流なんだよ、という話
学習効果を期待するより、親子で物語に入っていく作業。下記のしつけの話にも繋がってくるのですが、子どもとの信頼関係を深めるには、とても良いツールです。

親子で一緒に笑ったり、お話ししたり。感情の交流というのはとても納得しました
絵本の効果についてはこちらの内容も参考にしてください。

スマホ、テレビは見せていいの?
テレビやスマホを1人で長時間(1時間以上)見せていると言語能力の発達が遅れるよ、という話
どうしても子育てで頼りがちな動画ですが、スマホに子守り、は良くないようです。
- 長時間(1時間以上)視聴による言語発達の遅れ
- コミュニケーション能力の低下
- 見せるだけでは経験として定着しない
研究によると、幼児期に1時間以上動画を見せていると、言語や認知の発達が遅れるという結果がでています。脳の言語機能である「ウェルニッケ野」が萎縮するためです。
また、映像だけでは経験にならず、実際の行動と合わさって、初めて自分の経験として定着するようです。
スマホ、テレビは全てダメというわけではなく、親子で一緒に見て、共感したり話し合ったりするのは良いので、見せるときは
- 30分以内にする
- 実際の生活でも体験できるよう配慮する(映像と現実をつなげてあげる)
- 一緒に見る(1人で見せ続けない)
- 画面がシンプル
- 子どもの生活に関連したテーマ
- ことばがはっきりしていてゆっくりしたテンポ
見せるとしても、ほどほどが良さそうです。

植物の成長や動物の生態、絵本や写真だけでは伝わりにくいことは映像が良いですよね
わが家では、娘が動画を長時間見せていた時期に、情緒不安定になってしまいました。参考まで

幼児期や児童期の英語学習は効果があるの?
幼児期や児童期の英語学習はあまり効果がなさそうだ、という話
英語学習はいつからが良いのか悩みませんか?娘には苦労させたくない、と早くから英会話に行かせようか、と考えていましたが、早ければいい、わけではないようです。
- 発音や会話には効果があるが、英語学力は向上しない
- まずは日本語(土台)の習得を優先する
- 留学の適齢期は7〜9歳
幼児期や児童期は日本語でまだコミュニケーションができないのに英会話を学んでも、相手と話ができないし、文法、単語が理解できないため、学習効果が薄れてしまいます。ある程度の日本語の理解が進んで土台が作られると第二言語への学習効果が出てきます。
また留学させるなら適齢期は7〜9歳。母語の読み書き能力を身につけ、1対多数のコミュニケーションスタイルに移行した段階がもっとも習得する期間が早いようです。
まずは母国語の土台をしっかり作った上で、第二言語を学んだ方が良さそうですね。
今のしつけは大丈夫?
しつけは共有型がオススメ、学力にも影響するよ、という話
この本では共有型と強制型の2つのしつけについて説明しています。共有型を推奨し、強制型はあまりよくない例として取り上げています。

この本を読んで、共有型のしつけを意識するようになりました。
共有型のしつけ(推奨)
- 子どもを大人と対等な人格をもった存在と考える
- 子どもとのふれあい、会話を大切にする
- 親子で楽しい経験を共有している(感情の共感が多い)
- 子どもに考える余地のある声掛けを行う(指示ではなく援助的な関わり)
- 「ほめる」「はげます」「(視野を)ひろげる」声掛けが多い(3Hのことばかけ)
- 高所得層に多いが、低所得層でも蔵書数が多い家庭では共有型になることが多い
強制型のしつけ
- 親の思い通りに決めようとする(権威主義的・強制的・トップダウン型)
- 子どもが何かを解決しようとしているとき、過度な干渉や介入をする
- 子どもに対して命令口調が多い
- 勝ち負けの言葉が多い
- 親が叱責や体罰を多用する
それぞれ具体的に例をあげると
共有型のしつけは、子どもの感情に共感したり、疑問に対してすぐに答えを出さずに、子ども自身に考える余地を与えることばがけを行います。
例えば、絵本を読み終わって

きつねさん死んじゃったの?かわいそう

そうね、かわいそうだね(共感)。なんで死んじゃったんだろうね(疑問にすぐに答えない)

おおかみさんとケンカしたから?
感情には共感して、疑問には考える余地を与えます。一方で強制型の、しつけは
強制型のしつけは、子どもの感情に共感がなく、親が疑問に対してすぐに答えを出してしまい、子ども自身に考える機会を与えません。また、勝ち負けの言葉が多いのも特徴です。
例えば絵本を読み終わって

きつねさん死んじゃったの?かわいそう

きつねさんはね、オオカミにたべられちゃたから、死んじゃったの。じゃあ、おしまいだから、お話のテストをするね

・・・
少し極端な例え方ですが、強制型では共感がなく親の言いたいこと、指示を一方的に伝え子どもに考える余地を与えません。
共有型のしつけ
- 語彙力が豊かになる
- 自発性が増す
- 試行錯誤をする
- コミュニケーション能力が向上する
- 学力が向上する
- リラックスして楽しそうにしている
強制型のしつけ
- 指示待ちになる(自発性が減る)
- 物事への興味が薄く、集中力が低くなる
- 親の顔色をうかがうようになる
なぜこのような影響がでるのか、具体的に説明すると
共有型のしつけをしている親は、指示するのではなく、あくまでも子ども自身に決定を委ね、それをわきから支える援助的な関わりをします。そのため課題があると、子どもは安心して楽しく取り組むことができ、自発的な探索行為が多くなり、自分自身で考え、工夫して解決しようとします。
強制型のしつけをしている親は、指示や命令が多く、子どもに考える余地を与えないため、母親の指示を待ち、自発的・主体的に探索しようとする態度がなくなります。
研究では、幼児期に思いきり遊ばせること、遊びの時間を子どもと共に過ごすこと(絵本の読み聞かせ)、子どもの趣味や好きなことに集中して取り組ませること、など意識的に取り組んでいた家庭の子どもに難関試験突破者が多くみられ、これらの家庭には共有型のしつけをしている親が多いこともわかっています。
- 思いきり遊ばせること
- 遊びの時間を子どもと共に過ごすこと(絵本の読み聞かせ)
- 子どもの趣味や好きなことに集中して取り組ませること
- 共有型のしつけ
なぜ学力にも影響がでるのか?
子どもにとって共感は安心になり、親への信頼感につながります。信頼する親にほめられると嬉しくて、達成感も増します。小さな成功体験を重ねて自信もわいてきます。難題があっても自分はできるという気持ちになり挑戦力が湧き、挑戦と達成の経験を積み重ねた結果が、難関試験突破につながったのではないか、と書かれています。
自分の学歴や、家庭の収入を変えるのは難しいですが、しつけはコントロールできるので意識したいですね。
今からでも遅くない?
子育てはもう遅いと思わず、今からでも焦らず変わっていけば大丈夫、という話
「もう遅いよ」と思わず、まずは次のことを意識しましょう。
- 子どもの安全地帯になる
- 他の子と比べない
- 完璧な定義や回答を与えない
- 禁止や命令ではなく、提案として伝える
- 子ども自身が考え、判断する余地を残す
子どもと信頼関係を築いて、ここなら大丈夫という安全地帯になる。他の子と比較せず、その子自身の進歩を認めて、「ほめる」「はげます」「(視野を)ひろげる」3Hのことばかけ(愛情深い情緒的サポート)をする。
すぐに完璧な回答をせず、自分で考える間を作ってあげる、先回りして回答してしまうと、答えは与えてもらうものだと思うようになってしまいます。
禁止や命令ではなく提案の形で伝え、子どもが主体的に選べる余地を与える。大人が子どもの主体性を大事にすること、自分で考え判断する余地を与えることで、自律的思考力や創造的想像力が育ちます。
内田伸子さんの『子育てに「もう遅い」はありません』を元にした内容も一部記載されています。こちらも参考に
まとめ
誉めてあげれば、子供は明るい子に育つ
愛してあげれば、子供は人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子供は自分が好きになる
見つめてあげれば、子供は頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子供は思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子供は正義感のある子に育つ
優しく、思いやりをもって育てれば、子供は優しい子に育つ
守ってあげれば、子供は強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば
子供はこの世の中はいいところだと思えるようになる
著作家 ドロシー・ロー・ノルト
- 赤ちゃんが泣いて、自分がイライラしていたらお話し、運動しているんだ、と考え冷静になりましょう
- 子どもの個性(図鑑型、物語型)に合わせてこえかけすると伝わりやすいよ
- 絵本の読み聞かせは親子の感情交流なんだよ
- スマホ、テレビは30分くらいにして、一緒に見たり実際にやってみて経験してみよう
- 幼児期は英会話より、日本語の土台を作りましょう
- 共有型のしつけ、3Hのことばかけを意識しよう
- 今からでも遅くないです、変わっていきましょう
この本を読んで自分なりに子育てで意識するようになったことは、
- 親の言うこと聞いてくれない⇒物語型の伝え方をしてみよう
- スマホ、テレビはみせる?⇒家事の最中はOK、あとはほどほどにしよう
- 英会話はどうする?⇒まずは日本語の絵本の読み聞かせをしよう
- しつけは大丈夫?⇒共有型のしつけ、3Hの言葉掛けを意識しよう
- 今からでも遅くない?⇒大丈夫!遅くない、と考える
この内容が参考になりましたら、ぜひ一度お読みください。悩んでいることで参考になることが書いてありますよ。
「子育て」ってつまるとこと親も学んで成長すること
このブログが何かのヒントになれば幸いです。ありがとうございました。
