自分の生きづらさと愛着

人間関係で

良かれと思ってしたのに迷惑がられた…

と相手のための行動が空回りしていたり、

仕事を人に頼めず抱えて一杯一杯

なんであの人は、仕事を頼むのがうまいんだろう?と

生きづらさを感じませんか?

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それは不安定な愛着が原因かも

愛着の安定、不安定は対人関係、愛情生活、仕事の仕方、人生に対する姿勢に深く影響してきます。

 

この記事では愛着の種類と特徴、安定した愛着になるための方法について紹介します。

この生きづらさは愛着が原因だったのか、と自分自身への理解と、安定した愛着になるための方法について理解できます。

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私は回避型と言われる愛着スタイルでした

この本を読んで学んだ事

自分の生きづらさは愛着が原因かも、という話

  • 生きづらさの原因、不安定な愛着とは?⇒不安型と回避型の特徴
  • 不安定な愛着を克服するには?⇒安全基地と言語化、発散

愛着とは

「慣れ親しんだ物事に深く心を引かれ、離れがたく感じる」ことを愛着と言います。

昔から使っている思い入れがあるものに「愛着があって」「愛着がわいた」と使うことが多いと思いますが、

愛着とは人と人との絆を結ぶ能力にも使い、人間関係の土台となります。

愛着

1950年代、イギリスの児童精神科医ボウルビィは、第2次世界大戦によって家庭から引き離された戦争孤児の生活環境が、社会への適応能力に大きく影響を与えることを調査し、養育者と子との間に築かれる特別な絆のことを、“愛着(アタッチメント)”と命名しました。

土台を作る幼少期に何らかの原因や出来事で、愛着にダメージを受け愛着が不安定(愛着障害)になると、大人になって生きづらさを感じるようになります。

  • 愛着が安定:バランスがよくストレスにも強いので対人関係や仕事に高い適応能力を発揮します
  • 愛着が不安定:極端に人に気を使いすぎてしまったり、何事にも冷めて本気に取り組めなかったりします
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成人の方の3分の1は愛着が不安定と言われています

愛着にはスタイルがあり、対人関係の傾向を支配しているので、

自分自身の愛着スタイルを知ることは、今ある生きづらさの原因やその解決方法についての理解につながります。

愛着スタイルの種類と特徴

愛着スタイルは大きく3つ、安定した愛着の安定型、不安定な愛着(愛着障害)の不安型回避型があります。

愛着スタイルの大まかな特徴
  • 安定型:バランスがよく対人関係や仕事に高い適応能力を発揮
  • 不安型:嫌われていないか人の反応に敏感
  • 回避型:対人関係を避ける、自分の意見がない

安定型が理想的なのですが、幼少期に

親が過干渉で、親の顔色を気にしていると不安型になりやすく、

反対に、あまり親から構ってもらえないと人に期待しない回避型になります。

 

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ただし「全て親の責任ではない」ので誤解しないでください

 

愛着の誤解
  • 親の育て方が悪いという誤解 子どもの特性と親の特性が合わない場合、虐待ではなくても影響することがある。兄弟の片方だけ愛着の問題が出ることもある。
  • 愛着障害を持つ親は自分の子どもも愛着障害になるという誤解 子育て中に自分の親(子にとって祖父母)から再度脅威や苦痛を受けることで、自分の愛着が不安定になり、結果的に自分の子どもが愛着障害になることが多い。親だけの影響ではない。
  • 愛着障害は修復できないという誤解 いつになっても適切な関わりを持つことで、愛着は修復することができる。また、親以外の関係(祖父母、親戚、学校、コミュニティなど)でも修復することができる。

 

愛着スタイルについて、もう少し細かく特徴と原因を説明すると

安定型の特徴

  1. 幼少期や大人になって安定したコミュニティを持っている
  2. 人間関係に積極的で距離感が安定しているので
  3. 人がどう反応するかに左右されない
  4. 自己肯定感が高い
  5. 仕事で上手く人に頼める
  6. 自己主張ができ、不要な衝突や孤立を避けることができる
  7. 困ったら、助けを求めたり、自分を上手に守れるのでストレスを溜めにくい

不安型の特徴

  1. 幼少期に親が過干渉で、親の顔色を気にしていると、不安型になりやすい
  2. 人間関係に積極的だが不安が強いので
  3. 相手の顔色ばかり気にする 例)私のせいで怒ってるのかな?
  4. 自己肯定感が低い
  5. 仕事で気の使い方が空回りする
  6. 相手の愛情を過剰に求める 例)毎日メールの要求など
  7. ストレスは大騒ぎして周囲にまき散らして発散

回避型の特徴

  1. 幼少期にあまり親から構ってもらえないと、人に期待しない回避型になりやすい
  2. 人間関係に消極的だが不安は少ないので
  3. 他人に興味がなく、期待しない 例)どうせ嫌われるなら関わらない
  4. 自己肯定感が低い
  5. 仕事で人に頼れず抱え込む
  6. 距離を置いた対人関係を好む
  7. ストレスは意識から遮断するが溜まっている

 

また不安型と回避型の両方を併せ持つ場合も比較的多いようです。

不安型+回避型(恐れ・回避型)の特徴

  1. 幼少期に養育者から深く傷つけられた体験を持っている場合が多い
  2. 不安型なので人と仲良くなりたいけど、
  3. 回避型でもあるので親密になることでストレスを抱えてしまう
  4. 矛盾を抱え傷つくことに敏感、疑い深い
  5. 引きこもりがち

 

さらに、安定型・不安型・回避型の3つの要素の強弱により、8種類に分類されます。

ぜひ、巻末にある診断で自分の愛着スタイルを調べてみてください。

こちらに愛着スタイル診断テストもありましたので、参考まで。

 

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私は回避型の愛着スタイルが強く出ました

思えば私の父親は

毒親ではありませんでしたが、子どもの頃は怖いという印象が強く、いつも顔色をうかがって過ごしていたのを思い出します。不安型傾向ですね。

父親が帰ってくると、リビングから離れた自分の場所にこもる日々でした。

回避型が強くなったのは、中学時代にちょっとしたいじめにあい、人の顔色ばかり気になるの(不安型)に疲れ、高校生活では自分が傷つかないよう人間関係に深入りしないようにしていたの(回避型)が始まりかなと、今では思います。

今ではだいぶ治まりましたが、まだ人間関係に深入りするのもされるのもやや苦手ですね…

この本で、自分の生きづらさは不安定な愛着スタイルからくるものか、と理解しました。

 

とはいえ、不安定な愛着は克服することができます。

不安定な愛着の克服

不安定な愛着を克服するには

不安定な愛着の克服方法
  • 親との関係の改善
  • 安全基地の確保
  • 気持ちの言語化、発散

それぞれについて、詳しく説明すると

親との関係の改善

不安型や回避型の愛着は、幼少期に親との関係でつまずいた結果です。

愛着の傷を修復するには、親との関係を改善していくことが望ましいので

私の場合

  • 母親が亡くなったこと
  • 社会人になって働く親の大変さを理解したこと
  • 自分自身に子どもができて親の気持ちを理解したこと
  • 自分の子どもを通して親と交流すること

で父親との関係が変わり、段階的にですが自分自身(の愛着)が安定してきたと感じています。

今では子ども3人(私、妹、弟)を育てることがどんなに大変か理解し、感謝しています。

不安定な幼少期を過ごしてきた奥さんも自分の愛着が安定してきたのは、結婚して子どもが生まれて親との関係が改善されてきたからなんだ、とこの本を読んで気が付いたそうです。

 

とはいえ、親との関係の改善が難しい場合などに

親子関係に代わる安全基地(心の拠り所)の確保、気持ちの言語化、発散でも不安定な愛着を克服することができます。

安全基地の確保

この本では、アトリエが安全基地としての役割と、絵など芸術作品を通して言語化、発散する役割を兼ねています。

「安全基地」(心の拠り所)をつくることで愛着の傷を修復することもできます。

安全基地とは大まかには、いざという時に頼ることができる、無条件で受け入れてもらえる人、場所のことで

「安全基地」には5つの条件があります。

安全基地の5条件
  1. 安全安心 一緒にいても傷つけられることがない
  2. 応答性 話したいときに応じてもらえる
  3. 共感性 自分が何を感じ、求めているかを察し、共感してもらえる
  4. 安定性 できるだけ一貫した対応をしてくれる
  5. 誠実さ 本心から大切にしてもらえる姿勢
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ちょっとハードルが高いですが

パートナーやカウンセラー、習い事、健全であればインターネットのコミュニティなども活用できます。

条件5は特に重要です。安全基地だと思っていたら、誠実さがなくうわべだけの甘い言葉だった、実はただの勧誘だった、なんてこともあるからです。

 

さらに安全基地で、自分の身に起きたことを、感情とともに話していくことで不安定な愛着は改善されていきます。

気持ちの言語化、発散

安全基地で、自分の傷ついた気持ちを話すこと(言語化)が不安定な愛着の克服に有効です。

ただし、自分のことを語るときに注意したいのは

  • 不安型は感情的に過剰反応してしまうので、一歩引いて話す
  • 回避型は慎重になり過ぎてしまうので、一歩踏み出して話す

✔不安型の愛着を持つ方は、

衝動にかられて一度に全てをさらけ出してしまい、相手を驚かせ、対等な関係を築きにくくなりますので、感情的にならず受けとめてくれる存在にも気を使って話すこと

✔回避型の愛着を持つ方は、

本心を話すことに慎重になりすぎて一歩踏み出せず、相手に愛想をつかされたりするので、慎重になり過ぎないこと

とはいえ、回避型は傷ついた気持ちを認識していなかったり、封印していることがあるので、そんな時は、小説や絵など芸術作品を制作して発散することも有効です。

また、

安全基地なんて作れない!

と、安全基地の確保が難しい方、不安型で過剰に感情的になってしまう方にも、

小説や日記、絵など制作することで、自分の傷ついた気持ちを表現、発散することも有効です。

 

不安型は、一度自分の気持ちを客観的に見る練習になり、回避型は、開示の練習になります。

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太宰治やゴッホも愛着障害を抱え、創作で発散していたといわれています

奥さん(元美術教師)も不安定な時ほど創作意欲がわいてきたそうです。

 

愛着障害は自分の行動で克服できるので、安心してください。

 

まとめ:生きづらさと愛着

この本を読んで学んだ事

自分の生きづらさは愛着が原因かも、という話

  • 生きづらさの原因、不安定な愛着とは?⇒不安型と回避型の特徴
  • 不安定な愛着を克服するには?⇒安全基地の確保と言語化、発散

この本を読んで、

学生の頃は祖父母が安全基地だったのかなー、とか

私自身、結婚する前と後、子どもが生まれる前と後で愛着スタイルが変わったんだろうな、と感じています。

以前は人との関わりに消極的だったり、起きたことに過剰反応してしまい、客観的に見ることができませんでした。

SNSを通じて良いコミュニティに出会えたり、家族が安全基地となり、愛着がより安定してきたと思います。

 

また、職場でもこの人は愛着が安定してそう、とか不安型かな、と客観的に見ることができるようになったのも収穫でした。

生きずらさを客観的にみる方法のひとつとして、ぜひお読みください。


「子育て」ってつまるとこと親も学んで成長すること

このブログが何かのヒントになれば幸いです。ありがとうございました。

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