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3歳娘の父です。子育てにあたり、読んだ本をまとめています。
著者の信田さよ子さんは親子や夫婦などの家族問題を専門にされるカウンセラーです。この本は具体的な親や子どものカウンセリング内容を元に現在の状況、過去の問題、そこから問題を繰り返さないための提案、という流れで子育て論が書かれています。
「親にされたようなことを、自分の子どもにはしたくない」と感じている大人たちへ――《豊富なカウンセリング経験から導き出された「愛情よりも安心感」の子育て論》
摂食障害、うつ病、子どものゲーム依存やネット依存、夫のDV、息子の不登校……カウンセラーとして、長年、家族に起きているさまざまな問題に対処してきた著者だからこそ見えた、「子育てでやってはいけないこと」とは?
講談社BOOK倶楽部
「〇〇大学に入るためのメソッド」「IQを上げる子育て術」といった本ではなく、様々な家庭の状況も書かれているので、読み物としても興味深いです。
主に、虐待などの問題を抱えた家族を元に構成されていますが、「これで大丈夫かな?」と育児不安になっている親にとっても子どもに対して「やらない方がいい」行為は何か、なぜダメなのかを示してくれます。

「やりがちだけど、これはダメなの?」と自分にも当てはまることが多くあり、気をつけようと思います。
タイトルにもある子育てで「後悔しない」ためには、やらない方がいいことがあります。
- 子どもが何かを達成した時に金銭や物での報酬は与えない
- プレゼントは子どもにリクエストを聞かない
- 子どもにお願い口調を使わない
- 子どもの前で夫婦喧嘩をしない
- 「OOしないとママ(パパ)出ていくから」と声掛けしない
これらの「やらない方がいいこと」が子どもに与える影響と、ではどうしたら良いか、大まかな方向性について解説していきます。
親の行動が子どもに与える影響
あらためて、下のような親の行動が子どもに与える影響、わかりますか?
- テストでいい点とったらお小遣いアップ
- 誕生日プレゼントを子どもに選ばせる
- 騒ぐ子どもに「静かにしてね」と言う
- 子どもの前で夫婦喧嘩(暴力はダメ)
- 「片付けないと、出て行くから」と言う
夫婦喧嘩以外は一見問題なさそうですが、全て子どもにとって良くない、と著者は言います。
この行動は、子どもに、お金や物をくれるから愛されている、反対にくれないから愛されていないのではないか、など「世の中全て金次第」という認識を与えてしまいます。子育てでは親の愛情とお金は切り離して考えることが大切です。
「~したら、買ってあげる(お小遣いをあげる)」など物やお金をあげることを条件にせず、子どもの取組み方や頑張る姿をほめたり、家族で楽しいことをしたり、物以外の報酬を与えるようにしたい、と書かれています。

「家族で楽しいこと」に関して具体例はありませんが、例えば家でお祝いしたり、食事に出かけたり、喜びを共有できる行事が良いですよね。
子どもに選ばせる行為は主体性の尊重でも、自由の尊重でもなく、親の責任放棄といいます。子どもに選ばせることは、対等に扱っているように見えて、子どもに選択の責任を負わせて、親は「選ぶ責任」を放棄しているのです。選んだものが気に入らなくても、それはあなたが選んだんでしょと自己責任を負わせているのです。
プレゼントは親が選んであげてほしい、と著者は言います。もの自体はそれほど問題ではなく、親がプレゼントを選ぶことは「あなたのことを考えながら時間をかけ探した」という愛情を子どもに贈ることだからです。

確かに、私一人で合羽を買いに行き、この色は気に入るかな?このキャラ好きかな?と散々悩んで購入して渡したとき、娘が大喜びしてくれたのはとても嬉しかったです。
プレゼントをもらう、という行為は子どもにとって親が自分のことを考えて選んでくれた、時間を使ってくれたと、ものだけではない価値を感じて感謝する機会、と考えると選び甲斐もできますよね。
本書は「親が選ぶべき」で終わっていますが、補足させていただくと、プレゼントは重要ではなく親が子どものことを考える時間をつくることが大切、ということだと思います。全てのことを親が決めていると主体性、自分の意志のない子どもになってしまうので、バランスも大事ですね。親の責任放棄で子どもに選ばせるのは問題ですが、子どもにも自分で選ぶことの大切さを学んでほしいです。
この「お願い口調の声掛け」に対しても子どもに命令できない親、として問題視しています。親自身が虐待に対して敏感になり、命令することに怯えていたり、子どもに嫌われたくないという気持ちからお願い口調になってしまうのではないか、と言っています。
親が上の立場から責任をもって、子どもに「〜しなさい」「〜してはいけません」と伝えることが大切です。

よく電車で娘に「静かにしてください」と使っていました…このような子どもに対して遠慮した声掛けはよくないですよね
プレゼントと同じく、子どもを対等に扱っているという責任逃れからの言動の現れでもあります。人権という見方から対等という言葉は正しいのですが、親と子の関係は対等ではありません。自立するまでに親の保護が必要で、立場上、親の力の方が強く上下関係は存在します。責任もって伝えることが大切です。
当然ですが、虐待のような命令、上下関係のことではありません。また、感情的になってしまうと、命令=怒鳴るになってしまうので、親自身も感情のコントロールが大切です。ダメなこと、すべきことを端的に感情無しで伝える、なかなか難しいですが…
「夫婦喧嘩」(暴力はダメ)自体が悪いわけではなく、子どもの知らない間に仲良く(なかったことに)なっていることが問題だといいます。
喧嘩をしたら仲直りした過程もみせる、喧嘩は子どもに責任はないと伝える、ことが大切です。

この、なかったことにする、は我が家でやりがちです…お互い仲直りしたから、蒸し返したくないよね、という暗黙の了解でなかったことにしてしまっています…
子どもには、何が原因で夫婦喧嘩(言い争い)が起こり、どうやって仲直り(解決)したのかを後日でもきちんと説明します。喧嘩をしていても言葉によって解決できることを子どもに示す必要があります。子どもは原因がわからないままだと「自分のせいで親がケンカをしている」と認識してしまうので、「あなたのせいではない」と説明することで恐怖や緊張がなくなります。
このような声掛けは子どもに脅しや恐怖を与えることになります。子どもは親の家出(恐怖)に対し、どうすればそれを避けられるのか考え、部屋の片付けを(行動)します。それが続くと恐怖を感じないよう、親が何を期待しているのか察知し、その通りに行動する子どもが作られます。
一見この言われた通りに行動する「素直でいい子」になるのでいいことではないか、と思いますが、そのかわり子どもは、いつも親の表情を伺うことになります。

子どもの頃から、周りのご機嫌を伺うような生き方はしてほしくないものです。
何かを条件にしたり、恐怖を伴う声掛けはせずに、「片付けしなさい」「~してはいけません」など正面から子どもに伝えます。
この他の声掛けのNG例として、「嘘をつくと、お巡りさんくるよ!」「静かにしないから、あのおばさん(知らない人、見ただけ)ににらまれたでしょ!」など誰かを利用した脅しもよくない、という例が書かれています。
まとめ

- 子どもが何かを達成した時に金銭や物での報酬は与えない→食事会など、喜びを共有できる場を作る
- プレゼントは子どもにリクエストを聞かない→親が子どものことを考え、喜びそうなものを選ぶ
- 子どもにお願い口調を使わない→上の立場から命令する
- 子どもの前で夫婦喧嘩をしない→喧嘩(暴力はダメ)をしたら、仲直りの過程も見せる、喧嘩の理由を説明する
- 「OOしないとママ(パパ)出ていくから」と声掛けしない→「OOしなさい」と正面から伝える
以上はこの本の内容の一部分に過ぎません、他にも具体的な実例を元に色々な子育て論が書かれています。ご本人も「最強」の子育て論だ、と言っているように、子育てで悩んでいる方、親との関係に悩んでいる方の手助けになる本です。

私は夫婦喧嘩の話がとても印象深かったです。夫婦喧嘩の原因は私のせいだ、と子どもが感じてしまう。小さいからわからない、と思ってはダメですね。
参考になれば幸いです。興味を持って頂けたのであれば、ぜひ一度お読みください。
「子育て」ってつまるとこと親も学んで成長すること
このブログが何かのヒントになれば幸いです。ありがとうございました。
